食事療法を続けるための自分ルールと、家族の協力


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糖尿病の食事においてまず意識したいのは、「食後血糖値のコントロール」です。

血糖値のコントロールからみた摂取量・回数・食事時間 で記したように、一日の食事回数と日々のそれぞれの食事における時間間隔ができるだけ一定範囲に収なるように調整することで、食後血糖値の上昇を抑えるための体内環境を整えていきます。


もちろん長い人生、いつもいつも同じ食事時間にとることは無理でしょうし、たとえば仕事の出張で外食や接待が続いたり、あるいは残業で食事時間が不規則になったりすることは、ある程度避けられないことです。

もっとも大前提として、不規則な食事時間や食事内容を少しでも改めることができるなら、それに越したことはありません。

しかしそれが難しい場合でも、それらを糖尿病の食事療法が続かない理由にするのではなく、「生活や食事のリズムの乱れが生じたときの対処法を、あらかじめどう準備しておくか」という視点から捉えたいものです。


ひとつの解決法は、「食事のための時間軸を広めにとる別ルールを、あらかじめ用意しておく」ことです。

たとえば、1日24時間で対応できない時の別ルールとして、「3日72時間」というセカンドルールを決めておくのはどうでしょう。

そもそも食べたものの栄養が人体に完全に吸収されるまでには72時間位はかかるそうですから、「3日間の幅で食事メニューや食事時間を考えておく」ことは、決して非合理な発想ではありません。


たとえば一日に1回あるいは2回しか食事がとれなさそうな時は、無理にその日の食事量を増やしたりせず、翌日の朝食を1品増やしてよいと自主ルールを決めるのはいかがでしょうか。

また逆に食べ過ぎた日の翌日は、食事回数と間隔をそのままにして食事量だけ1~2割減らす、といった自主ルールを、パターンとして用意しておくのです。

自分だけで決めていくことに不安がある場合は、管理栄養士と相談しながら検討するのもよいでしょう。


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自分の現在の生活リズムに応じた食事時間や食事内容については、家族の協力がポイントになります。


家族ができるだけ本人に主体的に協力し、一緒になって糖尿病と戦っているという一体感を持てる環境を整えることは大切です。

本人が「糖尿病食の食事療法をがんばってやっていこう」と思っているすぐ横で、家族だけがそしらぬ顔で味つけの濃いごちそうをパクパクほおばっていては、続くものも続かなくなることは、容易におわかりでしょう。


たとえば転職や転勤でご主人の帰宅が遅くなる生活に変わった場合に、それまで「お風呂→食事」としていた順番を、話し合って「食事→お風呂」へと変えるだけでも、就寝直前に食事エネルギーを摂って身体に負担をかけることを、ある程度は防ぐことができます。


また、食品交換表の表6の食品群、すなわち野菜・きのこ・海藻類などを一番最初に多めにサーブするjといった風に、配膳の順番を変えるのも効果があります。

食物繊維を先にたくさん摂ることで満腹感を得やすくなるだけでなく、糖質の吸収が抑えられ、食後血糖値が上がりにくくなります。
さらにはコレステロールの吸収を抑えたり便通を整えたりするメリットもあります。

ただし表2に分類される「くだもの類」は、食物繊維も含まれるものの果糖(糖分)が多いので、食べ過ぎると血糖値の上昇につながるので注意が必要です。


家族の協力という点では、これをきっかけとして本人だけでなく、食卓を囲む家族全員が糖尿病食に原則切り替えるというのも、よいアイデアです。


「糖尿病食」と銘打ってあっても患者以外の人が食べてはいけないわけではなく、むしろ塩分・糖分・カロリーが低く栄養バランスによく配慮したメニューを日々の食事とすることによって、家族全員の長期的な生活習慣病リスクを減らすことにつながるはずです。


食事療法が難しいとただ嘆くのではなく、むしろ病気をきっかけに自分の食生活を見なおして長期的な健康を実現していくのだという、いわば「災い転じて福と成す」発想でのぞんではいかがでしょうか。


次の記事は「メニューと調理法を工夫して、ストレスの無い食事を楽しむ」です。

ひとつ前の記事は「糖尿病の食事、無理のない減塩のポイント」です。


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